不動産投資とは?メリット・デメリットを解説

10/13/2024

iDeCoやNISAが話題になり、多くの方が“投資”に関心をもつようになりました。インフレの影響で物価が上昇しつづける昨今、自らの資産を守るためにも投資の知識は身につけておいて損はないでしょう。

さて、投資の対象は、なにも株式や債権などの有価証券だけではありません。不動産も立派な投資対象です。

そこで本記事では、不動産投資とは何かをわかりやすく解説します。投資に興味はあるものの一歩踏み出せないとお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

不動産投資とは

不動産投資とは、アパートやマンションなどを自身で購入し、運用することで利益を得る投資手法です。ひと口に“不動産投資”といっても、土地・建物を売却し利益を得る方法や、住宅を貸し出すことで家賃収入を得る方法など、稼ぎ方はさまざまです。

また、不動産投資はリスク対策がしやすく、安定的な収入を得やすいなどの理由から“ミドルリスク・ミドルリターンの投資”といわれています。株式やFXのように、投資した資金が一瞬でなくなるようなことはありません。

不動産投資を始めるには、ある程度まとまった額の自己資金を用意する必要はあるものの、さほど手間をかけずに資産形成ができるとサラリーマンを中心に人気を博してます。

不動産投資の種類

不動産投資は、稼ぎ方や物件のタイプに応じて、いくつかの種類に区分することができます。種類によって初期費用や利益率が大きく異なるため、それぞれの特徴を押さえたうえで、ご自身に合ったものを選ぶ必要があります。

以下では、代表的な不動産投資の種類を紹介しますので、順番に見ていきましょう。

①区分マンション経営

マンションの一室を購入し、貸し出すことで家賃収入を得るのが“区分マンション経営”です。“ワンルームマンション経営”とよばれることもあります。

マンションを一棟買うのに比べて、圧倒的に初期費用を安く抑えられるのが区分マンション経営のメリットです。低コストで始められることから、不動産投資初心者を中心に人気を集めています。

その反面、収益性が低く空室リスクも高いため、最終的に赤字を計上してしまい失敗に終わる……といったケースも少なくありません。なかでも新築マンションは、利回りが低くなる傾向にあるため、もし区分マンション経営に挑戦するなら、中古物件にも目を向けることをおすすめします。

②一棟マンション経営

一棟マンション経営とは、新築、あるいは中古のマンションを一棟丸ごと購入し、賃貸経営する投資手法です。

部屋数が多く、管理する手間が生じるものの、入居者が一斉に退去するといったケースは稀であり、空室リスクを分散できる点はメリットといえるでしょう。また区分マンション経営と比べて、初期費用は高額になる一方、それだけリターンを得られる可能性は高くなります。

なお一棟マンション経営を始めるにあたって、融資を受けることが一般的です。そのため、レバレッジを効かせた投資が可能になります。

③戸建て経営

戸建て経営とは、戸建て住宅を購入し、貸し出しあるいは売却する不動産投資のことです。

新築を建てるとなると、数千万円規模の費用が必要になりますが、中古物件なら数百万円程度から始められます。格安の中古物件を購入しリフォームすることで付加価値をつけられるのは、戸建て経営の魅力の一つです。

ですが一棟マンション経営と異なり、一軒分の家賃収入しか得られないため、空室に対するリスクヘッジが難しくもあります。ほかの不動産投資と同じく「安い物件だから」と飛びつくのではなく、需要があるかどうかを慎重に精査しなければならないわけです。

④駐車場経営

住宅ではなく、駐車場を経営することも不動産投資の一つとして数えられます。所有している土地を使って駐車場を経営し、利益を得るわけです。

大規模な上物を立てる必要がなく、狭小地やいびつな形の土地だとしても、車が出入りするスペースさえ確保できれば始めることができます。自宅の敷地の一部を駐車場として貸し出している不動産オーナーも、少なくありません。

駐車場の運営方法には、月単位で場所を貸し出す“月極駐車場”と、時間単位で貸し出す“コインパーキング”の2種類があります。どちらにするかは、その土地の特性や需要を見極めたうえで決定するのがよいでしょう。

⑤民泊

民泊とは、マンションやアパート、戸建住宅の空き部屋を民泊施設として貸し出し、利益を得る不動投資の手法です。民泊には、2つのアプローチ方法があります。

一つは、自身が所有する不動産を活用し、民泊事業を行うパターンです。もともと所有している土地と建物を活かすことで、さほど費用をかけることなく事業を始められます。自身で事業を運営するため、ランニングコストも安く、収益率の高い投資だといえます。ただし、ゲストへの対応や清掃など、日常的に発生する管理業務の手間は避けられません。

もう一つのアプローチ方法は、民泊運用の代行業者に委託することです。不動産オーナーは、代行業者にいくらかの手数料を支払うことで、ゲストへの対応や管理業務から解放されます。

民泊は、初期費用をかけることなく、条件次第で高い収益性が望めます。

不動産投資で利益を得る仕組み

不動産投資で利益を得る仕組みとして、家賃収入を得る“インカムゲイン”と、不動産の売却益で儲ける“キャピタルゲイン”の2つが挙げられます。

インカムゲインは、自身が保有するマンションやアパートを貸し出すことで得られる利益のことです。もし月々の家賃が8万円のワンルームマンションを経営しており、入所者がいる場合は、月8万円のインカムゲインを得ている、ということになります。入居者がいる限り継続的に収入を得られるほか、景気変動の影響を受けにくいのが特徴です。

一方、キャピタルゲインは、保有する不動産を売却して得られる利益のことです。仮に2,000万円で取得したワンルームマンションを2,300万円で売却できた場合、300万円のキャピタルゲインが生じたことになります。インカムゲインとは異なり、まとまった額の利益を得られる可能性はありますが、景気の影響を受けやすいという特徴があります。契機が後退して地価が下がれば、不動産の売却価格に悪影響をおよぼし、購入価格より売却価格が安くなることもあるわけです。

不動産投資のメリット

不動産投資と聞くと、漠然と「儲かりそう」というイメージを抱かれる方が多いですが、そのメリットの一つひとつはあまり知られていません。

ここからは、不動産投資を始めることでどのようなメリットを享受できるのかを、具体的にお伝えします。

メリット①安定収入を得られる

不動産投資最大のメリットは、何といっても安定した収入を得られることでしょう。なぜ安定的な収入が得られるのか、その理由は、家賃は株価のように価格変動することがないからです。入居者さえ決まってしまえば、毎月決まった額の家賃収入が手元に入ってきます。

不動産投資で得られる収入は、“不労収入”ともいわれます。大した労力を割かずとも、入居者がいる限り継続的に収入を得られるのが、そうよばれる所以です。給排水設備の水漏れやボイラーの故障など、不動産オーナーが対処しなければならないトラブルも起こり得るものの、管理会社に委託しておけば自ら対処する必要はありません。

このメリットを活かして、本業の傍らで不動産投資に挑戦し、副収入を得るサラリーマンの方も多くいらっしゃいます。

メリット②融資を受けられる

融資を受けられるのも、不動産投資の強みです。

株式や外貨といった金融資産を購入するにあたって、融資が下りることは基本的にありません。しかし不動産投資であれば、不動産の購入時に金融機関が提供する“不動産投資ローン”を利用することができます。融資を利用すれば、たとえ不動産投資の実売価格全額の自己資金を用意できなかったとしても、不動産投資への挑戦が可能になります。

つまり、少ない自己資金で大きな利益を狙うといった、レバレッジを効かせた運用ができるわけです。

メリット③節税できる

不動産投資は、運用次第で不動産オーナーの税負担を抑えることができます。節税できる税金の種類は、以下の通りです。

  • 所得税
  • 住民税
  • 贈与税
  • 相続税

所得税と住民税は、収入から経費を差し引いて算出される“所得額”に応じて税額が変動します。不動産所得は、給与所得や事業所得と損益通算できるため、もし不動産投資で赤字を出せば、ほかの所得の黒字と相殺させ、結果的に所得税と住民税の負担を減らせるわけです。

また、財産を他者に贈与・相続した際には贈与税か相続税が発生しますが、現金や株式と比べて不動産のほうが2〜3割程度も評価額が下がります。つまり、同等学の現金や株式を贈与・相続するより、不動産として渡されたほうが課される税金も軽くなるのです。

不動産投資のデメリット

さまざまなメリットを享受できる不動産投資ですが、リスクやデメリットもあります。不動産投資に挑戦する前に、以下の点も押さえておいてください。

デメリット①まとまった初期費用が必要になる

不動産投資を始めるには、ある程度の初期費用が必要です。数百万単位の自己資金がなければ、融資も受けにくくなります。では、不動産投資を始めるにあたって、どのような初期費用がかかるのか、その内訳を見てみましょう。

  • 不動産会社への仲介手数料
  • 印紙代
  • 登録免許税
  • 不動産取得税
  • 融資事務手数料
  • 融資保証料
  • 固定資産税・都市計画税
  • 火災保険料
  • 地震保険料
  • 司法書士への報酬

融資を前提とした場合、不動産投資で用意すべき自己資金は取得する物件の20〜30%程度といわれています。仮に3,000万円の物件を購入するとした場合、600万〜900万円はご自身で用意しなければなりません。

不動産投資に挑戦する際は、ご自身の預貯金や収入と相談しながら計画を立てることが肝要です。

デメリット②流動性が低い

実物資産である不動産は、金融資産と比較して流動性は低くなります。

株式や外貨といった金融資産は常に取引されているため、現金化したいタイミングで換金できます。しかし、不動産となるとそう簡単にはいきません。所有する不動産を売却するには、物件を査定し、買主を見つけなければならず、下手をすれば数か月はかかるでしょう。物件の立地や状態、景況・市況次第では、一向に買主が見つからず売却できないということもあり得ます。

不動産は、所有しているだけでも管理費や固定資産税を支払わなければなりません。不動産を購入する際は、将来売却することも考慮して、流動性の高い物件を選んだほうが無難です。人口が多い都市部の物件のほうが、流動性が高いのは言うまでもありません。

デメリット③失敗した際のリスクが大きい

不動産投資で取り扱う金額は数百万〜数億円と高額であるため、もし運用に失敗すれば不動産オーナーの被る金銭的なダメージは甚大です。不動産投資の失敗の定義は、“トータルで赤字になること”です。融資を受けて不動産投資を始めた場合、借入金の返済は自己資金ではなく入居者からの家賃収入で返済することになります。

つまり、月々の家賃収入が借入金の返済額を下回らないよう、気を配っていかないといけないわけです。もし、所有するマンションやアパートの空き部屋が埋まらず自己資金を取り崩して、借入金の返済に充てるような状態が続けば、自己破産に追い込まれても不思議ではありません。

大金を投じて始める不動産投資には一歩間違えれば人生を棒に振ってしまうリスクがあることを、念頭に置いておきましょう。

まとめ

今回は、不動産投資に初めて挑戦する方に向けて、不動産投資の概要とメリット・デメリットを解説しました。

不動産投資は、マンションやアパート、戸建て住宅を購入し、それを貸し出すか売却して利益を得る投資手法です。株式やFXなどの投資方法と比べて景気の影響を受けにくいのが特徴です。

運用がうまくいけば、不動産オーナーは大した労力を割かずとも安定的な収入が得られます。老後に向けた資産形成としても、挑戦する価値のある投資といえるのではないでしょうか。

  • この記事を書いた人

かこい家

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